── アクアプラスのタイトルに思い入れがあるということで、今回の企画はティアーズ・トゥ・ティアラIIというRPGなのですが、押切先生はこういったジャンルはいかがですか?
押切 PRGはなかなかプレイしないんですよね。
── やはり時間がかかるからでしょうか?
押切 そうですね。やはり時間がかかるから面倒くさいなという気持ちがどうしてもあるんですよね。でも憧れもあるんですよ。
── 時間をかけて遊びたいと?
押切 そうそう、常にやりたいという気持ちはあるんだけれど、時間がかかるものはなかなか食指が動かなくて、その間に旬が過ぎてしまうんですよ
。
こういうジャンルって絶対僕も好きなジャンルなんですよ。時間がたくさんあればずっとやり続けたいんですけどね。
下川 これはおっさん化減少の一つなのかもしれませんが、操作が複雑なゲームをプレイして、3日ぐらい間を空けると操作方法を忘れているんですよ。そういった部分で面倒くさくなる。
ティアーズ・トゥ・ティアラIIに関しては戦闘がシミュレーション形式ですが、比較的わかりやすいので操作方法を忘れるということはほとんどないと思います。
── 数日プレイしなくても大丈夫なわかりやすい操作内容?
下川 そうですね、1週間程度間が開いても戻ってこられるんじゃないですかね。さすがに1ヶ月とか開いてしまうとストーリーについていけないかもしれませんが(笑)
押切 オンラインでマルチプレイといったジャンルではないので、自分のペースで遊べるのは良いですね。オンラインプレイ中心のゲームだとどうしても旬がありますからね。
── こういったジャンルに疎遠になりつつある方々にも遊んでいただきたいですね。
下川 そうですね。ティアーズ面白いですよ。自分で言うのもなんですけど、本当に良くできていて、感動するところは感動するし、熱いところは熱い。
ゲームシステムについても奇をてらって難解になり過ぎるようなこともなく、わかりやすさを大切にしています。ベーシックに、すごく丁寧に作っています。
押切 なるほどベーシックに丁寧ですか。
下川 完成されたジャンルって割とあると思うんです。その完成されたジャンルは、何度でも同じものが違うお話に乗ってやるというのは、僕は良いことだと思っています。
今作ぐらいのクオリティのシミュレーションRPG(ティアーズ・トゥ・ティアラIIのジャンル区分は“PRG”)ってほとんどないんじゃないかと思います。
王道なRPGなどにはみんなお金をかけて作ってはいますけど、他のメーカーさんで今、シミュレーションRPGであの規模、あのグラフィックはおそらくあまり無いんじゃないですかね。
押切 ベーシックだからこそ、作るのが難しかったりしませんか?
下川 そのとおりです。ご飯を美味しく炊くのと一緒で最も難しいと思います。素直に、面白いものを、テンポ良く遊んでもらうことを考慮しています。
ストーリーもグラフィックもサウンドも、ちゃんとしたレベルで用意し、戦闘も楽しんでもらえるようにしたい。シミュレーションの戦闘は楽しいけれどストーリーは面白くないとか、その逆とかではダメなので。
ティアーズ・トゥ・ティアラIIの場合、ストーリーが長くて、10分以上ストーリーを読むシーンもあるんですよ。それも楽しんでもらいたいけれど、シミュレーション部分もストーリーの先を読むための作業にはしたくない。このバランス感っていうのはすごく気をつけていますね。
── 押切先生にもこの機会に是非遊んでみてほしいですね。
押切 そうですね。ずっと興味はあるもののプレイしてこなかったジャンルだから、初めてやったらハマる可能性ありますね。
下川 初めてのジャンルでも大丈夫です。しっかりしたチュートリアルを用意していますし、「うたわれるもの」でもそうですが、最初にしっかりストーリーを見ていただき、ティアーズ・トゥ・ティアラIIの世界を味わっていただけます。
押切 開始直後から感情移入できるということですね。
下川 そうですね、まずはキャラクターや舞台設定を知っていただいて、それから戦闘が始まり、キャラクターが育っていき、ストーリーの中でもキャラクターが育っていく、仲間が増えていく。という流れなので複雑で難解なところなく楽しんでいただけると思います。
押切 本当ですか。それはいいですね。僕は頭が悪いので理解する力が無いんですよ。複雑なアイテム調合とかゲームシステムは苦手なので(笑)
下川 なるほど。合成せずとも進めていけますし、難易度も途中で変更できるようになっています。
やはりストーリーを最後まで読んでほしいという思いがあるので、遊び方の選択肢を用意することで、途中でやめたということにならないようにしています。
押切 ちゃんと途中で投げ出されないように調整されているんですね。
下川 やはり作り手として最後まで遊んでもらいたいですからね。押切先生にも楽しめるようになっていると思います。
押切 話を聞いていたら遊びたくなってきましたよ。
下川 絶対やってみてください。間違いなく原稿が落ちると思うので(笑)
── 落ちたらティアーズ・トゥ・ティアラIIのせいということで(笑)