とある世界、とある大陸。
獣のような耳と尾を持つ、様々な種族があった。
彼らは集落を成し、素朴な暮らしを営み、
いつしか、國を形づくるまでになった。
大陸北東の辺境にある集落、ヤマユラ。
少女『エルルゥ』により、瀕死の青年が運び込まれた。
大怪我を負っていた彼は、看護により一命を取り留めるが、
自分に関する記憶を全て失っていた。
青年は『ハクオロ』と名付けられた。
傷も癒え、村での暮らしにも馴染んでいく。
自分自身についての謎を抱えながらも、
『ハクオロ』は村の発展に手を貸すこととなった。
生来の穏やかで勤勉な性格もあり、
村の皆も『ハクオロ』を頼るようになる。
やがて迎えた収穫期。
村人の努力が実り、望外の豊作となった。
だが、その噂が藩主の耳に入った。
実りを収奪するために、ヤマユラに手勢が差し向けられる。
そして、この辺境の一件こそが、
世界をも揺るがす戦乱の序幕となった…。